個人的には、約7ヶ月ぶりの現場ということで、空港周辺や移動日などのアメリカでの実質的な現状を中心に、記載してみました。
移動日 (ORD to ATL )
今回の現場は、ジョージア州の首都アトランタで、私の住むイリノイのオヘア空港(ORD)から、飛行機で2時間半。
と言っても、実際に乗っている時間が1時間半で、時差がCSTからESTになるため、プラス1時間進みます。
朝8時の便に乗って9時半のはずが、到着すると10時半になってます。この辺はアメリカならではでしょうか。もちろん帰りはその逆で、マイナス1時間。
今回はプロダクションがDeltaを予約してましたが、三列シートの真ん中は全て空席。
窓側と通路側のみの使用となってました。
搭乗の11時間前には携帯のアプリでチェックインできるし、席は結構変更できました。
なので、「やっぱ空席が多いのかな」と思って乗ったら、結構混んでてびっくり。
オヘア空港全体の状況も含めて言えば、
喫茶店やレストランは、マック以外全部閉まっていて、周りがマスクをしている以外は、そこまで変わった雰囲気がなかったのが、逆に印象的です。
搭乗時間になると、搭乗ゲートでは通常「グループごと」にコールされていきますが、今回は「後方座席から」のコールになってました。
機内で人がでミックスされるのを嫌ったのだと思いますが、これはコロナに限らず、前からこうすればいいのにと思いました。(笑)
グループでのコールは、席順に関係ないため、中でゴタゴタが始まりますし。
朝8時ORD発の便だと、、
- 最低1時間前に空港チェックインする。
- 会社から空港まで車で1時間ちょっとの移動。
- 朝のトラフィックも考慮。
と逆算して、朝5時に会社に集合になりました。
機内では爆睡です。
アトランタ空港(ATL)
予定通り10時半に着陸。そこからみんなでHertレンタカーへ。
会社がGold Members で大型バンを予約したので、すんなりいきましたが、一般のカウンターはかなりの列で、これまたびっくり。
まだ便数は少ないとはいえ、一般社会(その地域の感染拡大の深刻さにもよるが)はコロナ共存の道を辿りつつあるのかなと。
ホテルは空港から車で10分程度。朝早かったので、昼前には到着。
ホテルの隣は、ポルシェの体験型ショールーム。(サーキット付)
また、すぐ近くにDelta Museumもあり、時間があれば行こうかな、と思ってましたが、、。
とりあえずランチ
ちょうどお昼だし、今回の現場では1週間近くこのホテルに滞在するので、ランチがてら、スーパーに買い出しに行こう、ということになり、ホテルのチェックインを済ませたら、バンに再集合。
近くのChick-fil-Aへ。
アメリカに旅行に来た人なら見たことあるかもしれませんが、チェーンのチキンバーガー店。私も、マックより断然Chick-fil-Aの方が好きです。
ただ、こちらも店内飲食は無しで、ドライブスルー&長蛇の車列。
別のオーダー方法もあるみたいで、番号の書いてある駐車スペースに車を止め、専用のアプリでオーダーし、店名とその駐車番号も入力。すると店員が届けてくれるというシステム。
まさにニュー・スタンダードです。
レンタカーが馬鹿でかいバンなので、食事は車内で済まし、スーパーへ買い物に。その後ホテルに戻りました。
PCR検査
ここからが大きく変わった点、というか本題。
以前であれば、これで「じゃあ明日朝◯◯時に集合ね」で解散になるのですが、
クルーチーフからは、「PCR検査があるから、携帯は持ってろ」とのこと。
夕方4時くらいになり、「Boys, Testing Time!」のメッセージ。
みんなでバンに再集合し、アトランタのダウンタウンまでPCR検査を受けに移動です。
車で30分くらいの場所にある、プロダクションが予約したクリニックに到着。
住宅街にあり、みんなで「これ、怪しくねーか」なんて話しながら中に入ろうとすると、「検査は奥の駐車所スペースでやります」とのこと。
建物の屋外にテーブルが並べられ、アレルギーがないかなどの書類にサインをし、検査。
世界中でいろんな検査方法があると思うのですが、今回は、鼻に綿棒のようなもの入れ、粘膜を採取するタイプのものでした。
この方法、結構なレベルで鼻がツーンとします、、。
友人はこれを「Brain ticke」と呼んでました。
直訳で「脳をくすぐる」という意味。
ナイスな表現です。(笑)
「結果は1時間後くらいに連絡します」ということで、検査自体は20分もしないうちに終了。
ホテルに帰った後、「全員、陰性だったよ」と連絡が来て、ホッとしました。
移動日のニュースタンダート
ここまで移動日の流れを中心に記載してみましたが、長期ツアーの場合、移動日にはコンスタントにこのような検査が組まれるんだろうなと、身をもって想像できました。
さらに、「ここで陽性の場合どうするのか」ということにもなりますよね。
チーフも言っていましたが、その場合のことを踏まえて、バックアップ要員を会社で待機させておく考慮が必要になる、ということでした。
予防対策はもちろんですが、陽性者をスムーズに交代させることができる体制も、必要になるのです。
久しぶりに航空機移動をしてみて、空港周辺など色々見ることができましたが、基本皆ちゃんとマスクしてますし、ここで「陽性」となっても「いやどこで?」です。責められない。
個人的な意見で言えば、陽性になっても感染ルートなんて、わかる気がしません、、、。
不運な陽性結果も含め、バックアップ要員をスムーズに配置してあげるのがベストなのかもしれませんね。
今回の現場は
アメリカでの、屋内において本格的にオーディエンスを集客してのコンサートは、まだ少し時間がかかると思います。久しぶりである今回の現場も、映画スタジオに仕込んでの、映像ストリーミングでした。
アーティストの名前は出せませんが、新しいアルバムにタイアップした、ライブ兼プロモーションビデオみたいなものです。
長期ツアーの再開には、11月の大統領選の決着と、ワクチン開発の2つが整ってからだと思います。
もう少し、焦らず、健康とメンタルに気をつけて、日々やれることをやろうと思いました。
ケータリングについて
今後現場で大きく変ってくるものの1つが、ケータリングではないでしょうか。
アメリカでは、自分で食べたい分だけ取るビュッフェ形式が主なのですが、今回はこれが一人分のパッケージになり、スタジオの外での食事でした。
机も、長机に二人までで、ソーシャルディスタンスを保ちます。
また、コーヒーやスナックなども、カウンターに1人担当者がいて、全て彼から受け取る、というシステムです。
コーヒー1杯でも勝手に触ってはいけません。
これまでのツアーでは、会場内にケータリングチームの仮設調理スペースを設けて、いつもその場で作ったものを食べれるのがとてもありがたかったのですが、これも少し変わってくるかもしれませんね。
映像エンジニアとして
照明、映像(LEDビジュアル)の両方がワンパッケージであった今回の現場では、クルーチーフに加え、照明で4人、映像エンジニアで私の、6人で参戦でした。
正直、「撮影現場で、映像エンジニアは俺一人か」と、かなり緊張していったのですが、なんとかうまく終わることができました。
ROEのCarbon5, Bromptonを始め、特にResolumeソフトウェアなど、なかなか勉強になりました。
仕込み、バラシで言えば、上記の通り、ワンパッケージによる同じチームなので、私もLEDパネルの仕込みが終われば照明を手伝います。
今回のアーティストは、コロナ前にツアーが稼働していたので、そのツアーパッケージ機材に加え、Follow-Meシステムをはじめ、追加機材と私のLEDパネルと、結構な仕込みでしたが、皆久しぶりの現場で雰囲気も良く、楽しく仕事をこなせました。
照明と映像
これはアメリカに渡って、いろんな大規模現場に参加してから芽生えた、私個人の考えなのですが、Bitmapping、Pixel Mapping、MA3で言えばグリッド機能も出てきた中、
照明の仕込みがあるとして、その灯体数をもっと増やしていくと、電飾のような表現も可能なります。
またその機材数をもっと増やしていくと、もう映像表現も可能な域に入ってくる。
時として大きなLEDパネルと言った感じ。
もちろん、かなり大規模で、”引きで”見たときです。
色温度や演色性、フレームレートなどのことではありません。
もっと”ハード”の部分、表現としても、照明と映像は切り離せないと、個人的には思ってます。
そう言った意味でも、今回は映像エンジニアで入れて良かったと思いました。
写真:Yoshi